スマホの内部をのぞいてみよう!スマホの構造とは?

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スマートフォンは携帯電話として通話やメッセージングができるだけでなく、インターネットへの接続やアプリの利用など多様な機能を備えたデバイスです。

NTTドコモ モバイル社会研究所による調査では、2010年にはスマホ利用率が4.4%でしたが、わずか5年で5割、10年で9割近くまで利用率が増加し、スマホは急激に普及しました。

ここまで急速に普及したのは、スマホが小型かつ高性能で、日常の様々なタスクを1台でこなすことができるからでしょう。

今回は、普段当たり前に使用しているスマホの内部をのぞき、構造を明らかにしていきます。

構造を把握していれば、スマホに不具合が生じた際の問題の特定や自分に適したスマホを選ぶ際にきっと役立つはずです。

スマートフォンとは

スマートフォンは携帯電話として通話やメッセージングができるだけでなく、インターネットへの接続やアプリの利用など多様な機能を備えたデバイスです。

スマートフォンやその周辺技術には画期的な点がいくつもあります。

  • タッチスクリーン技術:指先で画面を直接タッチして操作でき、従来のボタン操作よりも直感的な操作が可能になりました。
  • モバイルインターネットの普及:4Gや5Gといった高速通信が可能となり、情報の収集やコミュニケーションがとりやすくなりました。動画やビデオ通話のような大容量通信も可能となりました。
  • アプリエコシステム:App StoreやGoogle Playなどのアプリストアからさまざまなアプリを入手できるため、個々のユーザーに合わせたカスタマイズが可能です。
  • カメラと画像処理技術:高性能なカメラを搭載しており、高品質な写真やビデオを撮影できます。さらに、AIによる画像処理技術を活用して、写真の自動補正や撮影時のシーン認識などが行われています。
  • センサー技術:様々なセンサーが組み込まれています。加速度センサーやジャイロスコープにより、端末の傾きや振動を検知し、自動的に画面の向きを変更するなどの機能が実現されています。
  • 音声アシスタント:音声アシスタントが搭載されており、音声コマンドによって様々な操作が行えるようになっています。人工知能(AI)の進化により、より高度な自然言語処理が可能になりました。
  • セキュリティ技術:指紋認証や顔認識などの高度なセキュリティ技術が搭載されています。

スマホの画期的な点は、小型かつ高性能であることです。

昔は巨大なコンピュータで行えなかったことが、今や手のひらサイズのコンピュータで実現できます。

主な部品と機能

スマホの機種によって構成する部品の種類は異なりますが、大体以下が搭載されています。

  • タッチパネル
  • バッテリー
  • CPU
  • GPU
  • メモリ
  • センサー類(ジャイロセンサーや加速度センサー)
  • 通信用モジュール(Wi-FiやBluetooth)
  • カメラ

コンピュータの構成要素でコンピュータの構成を解説しましたが、スマホも基本的な構成は変わりません。

タッチパネルやセンサー類、カメラが入力装置にあたります。

スマホの特徴的で素晴らしい点は、手のひらサイズの小型デバイスに様々な部品が搭載されていて、高性能であることです。

スマホの高性能化を支えているのは、SoC(System-on-a-chip)です。

以降で、SoCを含め、各部品についてもう少し詳細に見ていきましょう!

SoC

SoCは1つの半導体チップに複数の主要な機能を集約した集積回路で、CPUやGPU、メモリ、通信用モジュールなど様々な部品を内蔵します。

SoCには、AppleのAシリーズ(A16 Bionicなど)やGoogleのTensorなどがあり、各メーカーのスマホスペックとして記載されるよ!

SoCで複数の部品を一つのチップ上に組み込むことで、部品間の配線が不要になります。また、配線が少ないということは振動や衝撃などへの耐性が強くなり、消費電力の削減にもなります。

消費電力が減れば、バッテリーをより小型にできたり、1回の充電あたりの駆動時間を増やせます。

メリットが多いSoCですが、もちろんデメリットもあり、SoCの設計や製造には時間と金銭コストがかなりかかります。

タッチパネル

タッチパネルはお馴染みかと思いますが、画面に直接指先でタッチすることで操作や入力ができる便利な技術です。

タッチパネルを通じて、アプリの起動・終了、文字の入力、ウェブページのスクロールなど、さまざまな操作を直感的に行うことができます。

タッチパネルの仕組み

タッチパネルは画面の上に透明な薄いフィルムまたはガラスが張られた部品ですが、いくつかの種類があります。

スマホで採用されているのは、「静電容量方式」というものです。

静電容量方式では、指先と画面の間にある透明なガラスやフィルムに、微小な電気の仕組みが組み込まれています。指先が画面に触れると、指の静電気(指先に溜まる電気)がそのガラスやフィルムに伝わります。この静電気の変化がタッチパネルのセンサーによって感知されます。

センサーは指先の静電気の変化を検知し、それによってタッチされた位置を特定します。例えば、画面の左上をタッチすると、左上のセンサーが指の静電気の変化を感知し、それを解釈して画面上の対応する位置として認識します。そして、そのタッチされた位置に応じて、スマホが画面上で対応する動作を行います。

このように、タッチパネルは指先の静電気を利用して、指が画面と接触した位置を感知しています。この仕組みによって、スマホの画面を指先で直感的に操作することができるのです。

バッテリー

バッテリーは、電源を供給する重要な部品です。バッテリーは電気エネルギーを蓄えており、スマートフォンの動作に必要な電力を供給します。

一般的なスマホでは、バッテリーはリチウムイオン電池が使われています。

リチウムイオン電池の特徴の一つは、皆さんもご存知の通り、繰り返し充電ができることです。

その他にも以下のようなメリットがあります。

  • 体積当たりのエネルギー効率が高いので、小型軽量
  • 電池を使いきる前に充電する「継ぎ足し充電」を繰り返すことで容量が減ってしまう「メモリー効果」という現象が起きにくいので長寿命

CPU

CPU(中央処理装置)は、スマホの脳とも言える重要な部品です。

スマホのあらゆる処理や計算を担当しています。例えば、アプリの起動、ウェブページの表示、写真や動画の処理、ゲームの動作など、スマホが行うほぼすべての作業はCPUによって実行されます。

GPU

GPU(Graphics Processing Unit)は、グラフィックス処理を担当する重要な部品です。

スマホの画面に表示される写真や動画、ゲームのグラフィックスなど、視覚的な情報を処理し、滑らかで美しい映像を実現する役割を果たしています。

GPUは、CPUとは異なる特化した構造を持ち、高速な演算能力を持っています。

特に3Dのリアルな映像や高解像度の映像をスムーズに表示するためには、大量の計算が必要になりますが、GPUはそれらの計算を効率的に行うことができます。

例えば、スマホで3Dゲームをプレイする場合、多くのポリゴン(図形の基本単位)やテクスチャ(画像の表面デザイン)を処理しなければなりません。このような複雑なグラフィックスを滑らかに表示するためには、CPUだけでは処理が追いつかないことがありますが、GPUの力を借りることで快適なゲーム体験を実現できます。

GPUを詳細に説明するのは少し難しいけど、行列の計算が得意で、単純な計算の並列化に向いているんだ!

メモリ


メモリは、データを一時的に保存したり、アプリやファイルを高速に処理するための重要な部品です。

スマホのメモリは、ユーザーがアプリを起動したり、ウェブページを閲覧したりする際に必要なデータを保持し、スムーズな動作をサポートしています。

スマホのメモリは主に以下の2つのタイプに分けられます。

RAM(Random Access Memory)

RAMは、スマホが動作中に一時的にデータを保存するメモリです。

例えば、アプリを起動すると、そのアプリに必要なデータや処理の情報がRAMに読み込まれます。

RAMは高速にアクセスできるため、アプリの起動や切り替えが迅速に行えます。ただし、スマホを再起動するとRAMに保存されていたデータは消えてしまうので、永続的に保存したいデータは別の場所に保存する必要があります。

ROM(Read Only Memory)

ROMは、スマホに最初から組み込まれている不変のメモリです。

主にスマホのOS(オペレーティングシステム)やシステムファイルなどが保存されています。

ROMは読み込み専用なので、ユーザーが直接データを書き込むことはできませんが、スマホが起動する際に必要なデータを提供しています。

メモリはスマホの性能や快適な使用体験に大きく影響します。

RAMが多いほど、同時に複数のアプリを快適に使うことができます。また、RAMの容量が少ない場合は、アプリの切り替えや動作が遅くなることがあります。

一方で、ROMの容量はスマホに最初からインストールされるアプリやシステムファイルの保存に影響します。ROMの容量が大きいほど、たくさんのアプリをインストールしたり、大きなファイルを保存したりできます。

スマホを購入する際は、自身のスマホの使い方を元に適切なメモリサイズのスマホを選択するのがいいよ!

センサー

スマホには様々なセンサーが搭載されています。

センサーが搭載されているおかげで、スマホで歩数をカウントしたり、アプリの縦方向と横方向を切り替えたりできます。

加速度センサー

加速度センサーは、スマホの動きを検知するためのセンサーです。

スマホが動いたり振られたりすると、加速度センサーはその加速度を感知し、その情報をスマホ内部に送信します。この情報を利用して、スマホは歩数をカウントすることができます。

ジャイロセンサー

ジャイロセンサーは、スマホの傾きや回転を検知するためのセンサーです。

スマホが傾いたり回転したりすると、ジャイロセンサーはその動きを感知し、その情報をスマホ内部に送信します。この情報を利用して、スマホは自動的に画面の向きを変えたり、ゲームやアプリの操作に傾きを活用しています。

GPS

GPSは、スマホに搭載されている位置情報を提供するセンサーです。

GPSは地球上の特定の位置を測定することができ、スマホがどこに位置しているかを正確に把握することができます。

実際には、地球上を周回している複数の人工衛星からの信号を受信し、その信号の伝搬時間から位置を計算します。

GPSのおかげで、現在位置を確認しながらマップを利用することができます。

スマホのマップが使えない状況なんてもう考えられないね

通信用モジュール

スマホには、インターネットに接続するためのWi-Fiモジュールや、他のデバイスとデータをやり取りするためのBluetoothモジュールなど、さまざまな通信用モジュールが搭載されています。

Wi-Fi

Wi-Fiモジュールは、無線LAN(ローカルエリアネットワーク)に接続するための機能です。

家庭や公共の場所などに設置されたWi-Fiルーターと通信し、インターネットに接続することができます。

スマホをWi-Fiに接続すると、高速かつ安定したインターネット接続が可能になります。

Wi-Fi環境下では、ウェブブラウジングやアプリのダウンロード、ストリーミングサービスの利用などがスムーズに行えます。

Bluetooth

Bluetoothモジュールは、近距離無線通信技術です。

スマホが他のBluetooth対応のデバイスと直接通信できるようになります。

例えば、BluetoothイヤホンやBluetoothスピーカーなどのオーディオ機器と接続することで、ワイヤレスで音楽を楽しむことができます。

また、Bluetooth対応のスマートウォッチなどとペアリングして、データを同期することもできます。

まとめ

スマホに使われている技術の概要を解説しました。

スマホもコンピュータなので、パソコンと基本的な仕組みは変わらないことや、タッチパネルやセンサーなどのスマホの便利さを支える機能も把握できたと思います。

ぜひ、スマホ選びやトラブル発生時の原因特定の際の参考にしてみてください!